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「やりなさい」を「やりたい!」に


今回は、くもラボという教室をはじめた2つ目の理由について書いてみます。

さて、さっそく結論を書いてしまうのですが、その理由とは、



「みんながやっているから」「やれと言われたから」ではなく、

「やってみたい!」をたくさんつくりたかったから です。




◆英語が嫌いだった学生時代


自身の学生時代を振り返ってみると、自分自身の中で理由づけができなかったり、意味を見出せなかった教科に興味を持つことがほぼ出来ませんでした。(実をいうと、この傾向は40代後半になった今も続いています。。)


中学時代の英語は特に苦手で「はたして何の役に立つのか?」とよく思っていたことを覚えています。ようやく英語が高校や大学受験科目の重要教科1つであり、得意であるに越したことはないと朧げに認識できたのは高校2年の夏が過ぎた頃だった気がします。


そんな私が、何の巡り合わせかTOEICを受験すればほぼ毎回900点は超せるようになり、外資系企業の管理職となって外国人だらけのミーティングに毎週参加することにもなるとは当時は想像もつかないことでした。




◆英語が得意になった理由


苦手だった英語を、私が得意になった理由はたった1つ。

社会人5年目、28歳になった時に「アメリカの経営大学院(MBA)に留学したい!」と考えたからです。


ここで、その時の詳細について書いてしまうと長い話になってしまうので要約すると、当時の上司に「外資系企業では世界トップテンのMBAを卒業してないと、部長以上にはなれないよ」と言われ、その言葉をそのまま信じたからでした。(その後、なれないわけではないと知ります)


社会人3〜5年目という時期は、社会やビジネスがわかった気になり「自分になら何でもできる!」と、だいぶ調子に乗ってしまうお年頃です。御多分に洩れず、当時の私もそんな小天狗の1人でした。


MBA入学という目標が定まると、がぜんやる気が湧いてきます。


今の条件はよくわかりませんが、当時、世界トップテンにランクするMBAへ入学するためには、上司や大学教授2名の推薦状のほかにTOEFLとGMATというテストで9割以上の点数が必要とされていました。それらをクリアするために、専門の予備校に通い、人生で初めて朝から晩まで英語だけを勉強する日々が続きます。


その結果、知らず知らずのうちにTOEIC900点ぐらいなら普通にとれる英語力が身についたのでした。





◆重要な順序


さて、どうでもいい私の小話にお付き合いいただき、ありがとうございます。

何が言いたかったかというと、


英語の学習自体を目的とするのではなく、何か他に目的があって(私の場合はMBA入学)、その【実現のために英語が必要】という順序であることが重要だということです。




この順序は大人よりもむしろ、子供の方が大切だと私は考えています。


大人たちは、ある程度強引にでも能動的な理由づけができます。「海外旅行の時につかえそう」「将来、役に立つ気がする」「勉強しておいて損はなさそう」などなど。一方で子供たちは学習に対し、概して受け身です。何で英語を勉強しているの?と聞かれても「学校で授業があるから」「みんなもやっているから」ぐらいの気持ちで取り組んでいる子が多いのではないでしょうか。




◆脳の仕組み


21世紀に入り、脳の状態をリアルタイムで計測できるMRIなどの医療機器が急速に進化して以来、脳科学の研究が非常に興味深いほどの発展を見せています。脳の一部で『記憶力』に大きな関わりのある前頭前野や海馬などの部位は、「やりなさい」などと強制されるとストレスを感じ、その機能を十分に果たせないことがわかってきました。


逆に「面白い!「楽しい!」と、ストレスなく能動的に取り組むと前頭前野や海馬が活性化し、記憶力が強化されるようです。


「うちの子は物覚えが悪くて・・」という保護者の方に、「好きなアニメやマンガのキャラクターやゲームの操作方法もなかなか覚えないですか?」とお伺いすると「あ、それはものすごい速さで覚えます」という回答をいただくことがほとんどです。ということは、脳は必要十二分に動いてるということです。




「でも、英単語はまったく覚えないです」


そうでしょう。私もそうでしたし、大多数の小学生たちが「なぜ覚える必要があるの??」と考えているのではないでしょうか。なんなら「AIによる自動同時翻訳があるから、もう語学は勉強しなくてよいでしょ」と言いそうな子供たちも今なら多くいそうな気がします。※現在のところ、音声翻訳や音声入力はプログラミングに適していません。その話はまた別の機会に。






◆マインクラフトで学ぶ理由


くもラボでは、小学生にとても人気のある『マインクラフト』というゲームを使ってレッスンを行っています。その理由は下記になります。



1)「やってみたい!」を引き出すJava版


任天堂スイッチ等のゲーム機で『マインクラフト』を経験している小学生は多いのですが、それらは【統合版】と呼ばれる種類のものです。それに対し、くもラボでは【Java(ジャバ)版】を使用しています。世界中のプレイヤーによって作成された追加プログラム(MOD)が数多くあり、日本だけでなく世界中の子供達に人気のある「マイゼン・シスターズ」などのYoutuberが主に使用しています。


「面白い!」「こんなことも出来るんだ!」「◯◯というYoutuberが使っているMODを使ってみたい!」という声が多く、それが「やってみたい!」という非常に強いモチベーションにつながります。




2)前に進むために必要となる英語


くもラボの『マインクラフト』は英語版です。ソフトウェアを起動してから終了するまで全て英語表示になります。レッスンの冒頭やレッスン中に出される課題をクリアするためにはもちろんのこと、ただただゲームを進めるためにも英語を少しでも理解していかなくてはなりません。


「面倒くさい」「やらされている」というネガティブな気持ちを「やりたい!」「やってみたい!」というモチベーションが上回るよう丁寧にレッスンを進めていく必要はありますが、英語に対して子供たちからネガティブな反応が出ることはほとんどありません。


『マインクラフト』では【give】や【replace】、【execute】といった英語を使うプログラミングいも似た構文(コマンド)が頻繁に使用されます。くもラボの教室だけでなく『マインクラフト』をご自宅で遊ぶ際にも、それらの英語を使うようになれば、英語に対する苦手意識はなくなります。結果として、英語を身に付ける速さは、学校でのそれを遥かに上回るはずです。





「やりなさい」を「やりたい!」に


くどいようですが、くもラボでは英語学習に限らずプログラミングや動画編集についても子供たちの「やってみたい!」からスタートすることを心がけています。


それが、私自身の学習経験からはじまり、社会人時代の部下指導経験、息子たちへの教育を通して培ってきた最も効果的な学習方法だと信じています。



幸いにも同様の研究や経験談は数多く、私の塾読書でもある脳科学や運動に関する書籍群『脳を鍛えるには運動しかない』(NHK出版)や『運動脳』(サンマーク出版)、『走ることについて語るときに僕の語ること』(文春文庫)などにも同じような話が頻繁に出てきます。※運動に関する本ばかりなのには理由がありますが、それはまた別の機会に





是非、ご家庭でも子供たちの「やりたい!」を観察してみてください。


それは一見すると無駄な「やりたい」かもしれませんが、「やりなさい」で身につけ、社会人になったら忘れてしまう記憶よりも遥かに有意義で役に立つ何かになると私は考えています。





◆失敗しても大丈夫


あ、そういえば、私のMBA留学の夢は叶いませんでした。あたかも留学できたような書き方をしてしまいすいません。チャレンジした年の留学が叶わず浪人しようと考えていましたが、当時の上司に「日本にも面白い場があるよ」と株式会社リクルートへの入社をすすめられ、入れたら儲けものぐらいの感覚で応募してみたところ、奇跡的に採用していただくことになりました。(後日人事部に聞いた話によると、その年の中途入社の応募数は2万人を超え、うち200人が採用されたとのことでした。今考えても奇跡ですね。。)その後、留学に勝るとも劣らない濃い7年を過ごすことができたと本当に感謝しています。




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